今回は海外の方とうまくコミュニケーションをとるために知っておくべきことについて書いていきたいと思います。
いまやグローバル社会で皆さんも仕事やプライベートで海外の方とコミュニケーションをとることが多いと思います。
日本人と海外の方とでは考え方が異なるため、コミュニケーションをとる時に知っておくべきことがありますので、是非、この記事を読んで、理解してください。
コミュニケーションをとる時に知っておくべきこと
- コミュニケーションはコンテキストが支配する
- 国で高コンテキストと低コンテキストの文化が異なる
それでは、コンテキストが支配するとはどういうことなのか説明していきたいと思います。
コンテキストについて
コンテキストとは文脈、前後関係、事情、背景、状況などの意味を持つ英単語になります。
コミュニケーションでは、文脈など言語以外から得られる情報のことを指します。
具体的にどのようなものがあるの示します。
コミュニケーションにおけるコンテキスト
- 表情
- ボディランゲージ
- 態度
- 年齢
- 服装
- 肩書き
- 出身地
- 社会的地位
- 組織
これらの全てがコミュニケーションとなります。
コミュニケーションは言葉だけではありません。
表情やボディランゲージなどは分かりやすいと思いますが、実際には社会的地位や肩書きなどもコミュニケーションの1つとなります。
例えば、社会的地位の高い人と話をするときは、緊張したり、話し方が変わったりしますよね。
つまり、これもコミュニケーションで言語による情報伝達がなくても、皆さんは自然と相手とコミュニケーションをとっていることになります。
コミュニケーションはコンテキストが支配する
これを覚えておいてください。
そして、コミュニケーションには高コンテキスト型コミュニケーションと低コンテキスト型コミュニケーションがあります。
次で説明していきます。
高コンテキスト型コミュニケーション
高コンテキスト型コミュニケーションとはどういうものなのでしょうか?
- 間接的表現を多用する
- 間接的な非言語を使用する
- 文脈による情報を重視する
これが高コンテキスト型コミュニケーションとなります。
常にアンテナをはっておく必要があり、曖昧な表現や小さな表情や声色の変化などから相手が何を伝えたいのか察することが重要になります。
そして、文脈による情報である役職や社会的地位、年齢などを重視します。
そのため、高コンテキスト型コミュニケーションは聞き手の能力を期待することになります。
高コンテキスト型コミュニケーション
- 情報性が低い曖昧な表現を好む
- 本音と建前を使い分ける
- 立場や状況、人間関係に配慮するため協調的でグループ志向が強い
- 直感思考で感性重視
- 多くを話さず、フィードバックは察することを期待して、情報の受け手に責任
低コンテキスト型コミュニケーション
上記の内容と対照的なものが低コンテキスト型コミュニケーションになります。
- はっきりした直接的な表現を使用する
- 明らかな非言語表現を使用する
- 事実を主体とした情報を重視する
これが低コンテキスト型コミュニケーションとなります。
アンテナを常にはっておく必要がなく、明確な回答や簡潔かつ直接的な表現、明らかな情報を好みます。
そのため、低コンテキスト型コミュニケーションでは話し手の能力が重要視されます。
低コンテキスト型コミュニケーション
- 情報性の高い事実を伝えることを好む
- 本音と建前が少ない
- 主張性が高く、個人的志向が強い
- フィードバックを期待していて、情報の発信者に責任
このように、高コンテキスト型コミュニケーションと低コンテキスト型コミュニケーションとでは真逆な考え方になります。
この考え方は国によって異なります。
それでは、見ていきましょう。
各国の高/低コンテキスト
文化の違いによって、高コンテキスト型コミュニケーションをとる国と低コンテキスト型コミュニケーションをとる国とがあります。
文化の違いとは何かについては別の記事で書いていますので合わせてご覧ください。
高コンテキスト、低コンテキストはパーソナル(生活)とビジネス(仕事)で異なる国もあります。
最近、ドイツの方とスペインの方と仕事をすることが多いのですが、この2つの国を例にとると次のようになります。
国によって異なる高/低コンテキスト
日本
- ビジネス:高コンテキスト
- パーソナル:高コンテキスト
ドイツ
- ビジネス:低コンテキスト
- パーソナル:低コンテキスト
スペイン
- ビジネス:低コンテキスト
- パーソナル:高コンテキスト
日本人のビジネスは高コンテキストとなりますが、実際には入社した直後の新入社員は低コンテキストであり、仕事を経験していく中で高コンテキスト型のコミュニケーションが主となってきます。
新入社員の時は曖昧な表現で支持をされても、何を言われているのか分かりませんよね。
分からないことは直接、上司に尋ねることで情報性の高い事実を求めようとします。
これは低コンテキスト型コミュニケーションの考え方となります。
また、スペインのように、生活と仕事とで異なる国もありますので、海外の方とコミュニケーションをとる時はコンテキストを意識してみて下さい。
ビジネスでドイツ人、スペイン人から言われたこと
このコンテキストの違いからドイツ人、スペイン人から勘違いされたことがあります。
日本人は高コンテキスト型コミュニケーションをとる国柄で、タスク重視よりも協調や関係性が重視されるビジネスモデルとなります。
ドイツ人やスペイン人はビジネスでは低コンテキスト型コミュニケーションをとる国柄となるため、タスク重視となり目標達成型が一般的な考え方となります。
日本人は報告資料を提出する時、複数人の上司チェックを行った後に資料を送るのが通常のやり方になります。
そうすると、報告を求められてから提出するまで2~3日の期間が必要になってきます。
ドイツ人やスペイン人は日本人がこのような上司チェックを含むフローを通した後に報告資料を提出していることを知らないため、日本人は2~3日の期間、何もしていないと思われていました。
また、低コンテキスト型コミュニケーションをとる国では明快な言葉による具体的な指示や、やり取りが重要となってくるため、英語が苦手で会議中に何も言わない日本人がいると、何も考えていないと思われます。
これは実際に仲良くなったドイツ人、スペイン人の方から聞いた生の声になります。
また、タスク遂行の考え方はアカウンタビリティとレスポンシビリティの違いも影響しているので、次の記事の中でも紹介しておきます。
いかがでしたか?
コンテキスト型コミュニケーションについての理解が深まりましたでしょうか?
アンテナを常に張り巡らしていて、曖昧な表現でも指示が成り立つ高コンテキスト型コミュニケーションをとる日本人と、具体的な指示が重要となり、情報性の高い事実に基づいたことを好む低コンテキスト型コミュニケーションをとる国とがビジネスをする場合には、ここで書いたコンテキストの違いが重要となってきますので、皆さんも念頭に入れてコミュニケーションをとるようにしてください。
これを知っているのと知らないのとでは、コミュニケーション成立性が変わってきます。
それでは最後にもう一度、大事なことをお伝えして、この記事を終わりたいと思います。
コミュニケーションはコンテキストが支配する
コミュニケーションをとるには文化の違いや国柄から発生するコンテキストが重要になってきますので、これから異国の方と付き合う方や、すでに付き合っている方はコンテキストについて考えてみて下さいね。