この記事では海外のビジネスの考え方について触れていきたいと思います。
海外の方とビジネスをやっている方は是非、ご覧ください。
皆さんはレスポンシビリティとアカウンタビリティの違いを理解していますか?
訳すと、どちらも「責任」という言葉になりますが、責任の意味が少し異なります。
海外の方とビジネスをするときには、この差を理解することが大切になります。
それでは、どういう事なのか説明していきたいと思います。
アカウンタビリティとは
アカウンタビリティとは何だと思いますか?
アカウンタビリティとはもともと、経済学から派生した言葉で、会計(accounting)と責任(responsibility)を掛け合わせた言葉になります。
そして、ビジネスの世界では次のようなものとして扱われます。
- 個人における仕事の責任範囲を指す
- 責任範囲内では任された個人に最終決定権がある
- 決定権は最終責任と同じ扱いとなる
分かりやすく図示する次のようになります。
レスポンシビリティとアカウンタビリティとで異なることは責任範囲の違いになります。
Aさんの下にBさんとCさんがいるとします。
そうすると、AさんがBさんに業務を任せたとした場合、その責任の全てをBさんに権限移譲することになります。
その責任範囲は広く、方針/戦略決定から予算管理まで全ての権限を持つことになります。
予算を何に使うかはBさんの裁量で決めることができます。
例えば、アウトプットを出すために、Dさんに研修を受けてもらう費用に使うとか、職場環境を整えることで居心地の良い風土つくりをして、アウトプットを伸ばしていくことに使うなど、Bさんが全てを決められることになります。
そして、結果責任も全てBさんが持つことになります。
これがアカウンタビリティの考え方になります。
アカウンタビリティの考え方
- 与えられた職務範囲の中で、方針/戦略決定、予算管理、進捗管理の全ての権限を持ち、結果を出すまでの自由が与えられる
- アカウンタビリティを担う人は一つの職務範囲の中に一人のみ
(最終責任者) - 最終責任者、個人に結果責任が問われる
それでは、次にレスポンシビリティとアカウンタビリティの違いを説明します。
アカウンタビリティとレスポンシビリティの違い
日本人の考えている責任とグローバルビジネスでの責任は異なることが多く、日本でいう責任はレスポンシビリティであり、グローバルビジネスではアカウンタビリティのことを指すことになります。
アカウンタビリティとレスポンシビリティ
アカウンタビリティ
- 個人に与えられた職務を全うすることに対する責任であり、その職務に対して最終責任を持つ
レスポンシビリティ
- グループ全体の職務に対して、個人が及ぼす影響力に対する責任であり、個々の職責に対する責任を意味することは少ない
アカウンタビリティでは意思決定は個人に任されていて、職責範囲の中では完全に権限移譲されます。
最終判断は個人に委ねられるため、成果に結びつけば報酬が上がり、成果が出なければ報酬が下がることになります。
日本はアカウンタビリティではなく、レスポンシビリティの考え方になります。
そのため、日本の意思決定は個人ではなく、グループ全体の意思決定となるため、稟議や合議が必要となり、スピードが落ちます。
その代わり、個人ではなく、グループでの意思決定となるため、横横のつながりは強く、誰かがミスしても他者がカバーすることが可能です。
一方、アカウンタビリティの考え方では、個人の職務範囲が明確となっているため、横横のつながりは弱く、個人は任された職務範囲の中でのみ、職責を負うことになります。
その代わり、個人に権限移譲されているため、グループ全体の稟議や合議は必要なく、意思決定スピードは早くなります。
どちらも一長一短がありますね。
アカウンタビリティとレスポンシビリティの違いを理解できましたでしょうか?
海外の方とビジネスを行う時は、この違いを覚えておいてください。
実際に海外の方と仕事をされている方は実感されることが多いと思います。
それでは、これで、この記事を終わりにします。